
わたしの母がよく俳句の素材として使う「蝉穴」。
幼い頃から、どちらかといえば身体が弱く、内向的であった母は「家」という範囲内で、世界を観てきました。
家裏に在る小さな庭で起きる出来事からも、本質的なものは学べると、母の生き様から私は教わってきました。
誰も気に留めない小さな視点から、内なる世界を観て、表現し続けています。
「蝉穴」=母の俳句 と言っても、過言ではないほどです。
蝉穴に注いでながき水の夢
雲流る蝉の穴にも涙あと
蝉穴を数え百年老いぬべし 増田まさみ
・・・・・・
蝉も不思議な生きものです。
成虫が樹に産み付けた卵が孵り、土中にもぐって、決まった年数幼虫として過ごし、「その時」が訪れたら、地表に出て、殻を脱ぎ、変身して、パートナーを見つけ、次のいのちに繋いで、土に還っていくのですから。
誰も事細かく、「そうしなさいよ」と指示しなくても、いのちのままに生きて死んでいきます。
ニンゲンだって、持ち過ぎたタスクを手離せば、もうすこし内なる声を拾うこともできるでしょう。
蝉穴のように、大切なことをあなたに伝えてくれる「窓」は、実はどこにでもあるんですよ。
・・・・・・
ヨーガをすることは、いのちの扉をノックすることです。
実は、誰でも宇宙の真理を知っています。でも、知らないと勘違いしているだけ。
あなたは、ほんとうは何者なのか、知りたくはありませんか。
朝霧カタツムリ