世間一般的なイメージとして、理想の家族の在り方を挙げると、「リビングにみんなが集まって、仲睦まじく過ごしているのが幸せ」とされることが多いですよね。
しかし、その理想と現実との違いに苦しむ人は、たくさんいます。
私自身も、そういう心の痛みを経験しているので、とてもよくわかります。
このブログを読んで下さっている人にお伝えしたいのは、実はほとんどの人々が絵に描いたような、理想の家庭を満喫しているわけではない、ということです。
他人とは離れることができるけれど、血縁ともなるとそうもいきません。だからこそ、ややこしい思いに苛まれるのです。
私が多大な影響を受けたJ.Brown先生は、こういった理想と現実の差に苦しむことがないように、ヨーガを伝えてくれました。
それは、身体を動かし、自らの呼吸を感じることを通して、ヨーガの哲学をたましいに染み込ませるような深い学びの経験でした。
大抵の人が、家族関係に何らかの悩みを持っているものですが、それを認めずに、自らを装うと、内側に齟齬が起きて、しんどくなってしまいます。どちらかと言えば、今の現状をあるがまま受け入れる方が、ずっと楽になれると、先生から教わったのです。
先生はごく普通の感覚の持ち主でした。先生というより、友だちのような人で、かっこうをつけずに、彼自身の家族の話をそのまんま私たちにシェアしてくれ、ヨーガの実践を通して、その現状をどう捉えられるようになったのかを率直に話をしてくれたのです。
人が人として、与えられた人生を生きていく上で、とても腑に落ちるメッセージでした。
私にとんでもない問題があったわけではありません。でも、家族だからこそ、変に期待しすぎたり、期待が外れた時のがっかりの大きさに苛まれることは、誰にでも大なり小なりありますよね。
あなたがもし、夫婦仲が悪いとか、あなたの両親との関係性に悩みを持っていたとしても、それを恥じる必要はありません。
理想通りを地で行ける人は、もちろんおしあわせに、ということなんですが、そもそも人は100人いたら100通り。テレビコマーシャルに出てくるような、理想のカタチに、自分たちを無理矢理当てはめようとしたり、仲の良さを演じなくてもいいのです。
「お互いの心地よさ」を尊重し、距離を保ちながら、一緒にいる…といったことでも、ぜんぜんかまわないのです。
「こうじゃなきゃ」を手放した方が、うまくきます。不思議なものですが、そういうものなのです。ヨーガは人との関係性さえもマイルドにしてくれます。捉え方が変わるのです。
今日の話はヨーガと関係なさそうな内容でしたか? でも、人はどうして悩むのか、を考えれば、決して無縁ではありません。
ヨーガの哲学は、人生すべてに効いてくるのです。
朝霧カタツムリ
